本郷にある東京大学総合図書館の改修工事を所属する研究室にて基本設計・監修者として担当しています。全4期からなる改修計画のうち、Ⅲ期の利用者エリアの改修までが完成しました。総合図書館は当時の東大総長も務めた内田祥三の設計で、構内には内田ゴシックと呼ばれる形式の建物が数多く現存する中、安田講堂と並び歴史的、文化的に重要な役割を担っています。本改修は耐震改修工事を主軸としながら、90年前から現在に到るまでに変わってしまった空間構成を復原するとともに、現代的な図書館機能を空間的、機能的に整えるための改修として行われています。文化財的価値としての保存行為と後世に継続的に利用される施設としての視点を持ち、これまで行われてきた点的な改修から将来的なビジョンを持つ線的なアプローチを試みています。
用途: 大学図書館(改修)
基本設計: 川添研究室+同施設部
構造: 鉄骨鉄筋コンクリート造
規模: 地下2階 地上5階
改修範囲面積: 約8550㎡
工期: 2016.09〜2018.03
施工: 清水建設
写真: ©️Shigeo Ogawa