港区品川で行った、築35年のマンションの改修である。延べ床面積100㎡とゆとりのある広さにも関わらず、外部と接さない玄関や廊下部分に窮屈さを感じた既存間取りを、それぞれの場所がゆるやかに関係しながらつながる明るい住宅となるように考えた。既存間取りでは、中心部分となる玄関アプローチは暗く狭い廊下とつながって、閉じられた場所であった為、改修案では玄関土間を部屋のように出来ないかと考えた。動線と一体的な場所とすることで廊下部分を短くし、外壁面側に配置した個室の大きな出入り口を窓のように捉えて、採光や通風をそこから取るようにしている。また廊下についても幅を1mと広く取り、玄関土間を介して居間や寝室とつながり住戸の端から端までが意識できるようにした。共同住宅では閉鎖的な環境になりがちな玄関や廊下部分を場所として捉えることで住戸全体の明暗差が小さくなり、距離感や広さの感じ方が大きく変わるような計画を目指した。
用途: 個人住宅
延床面積: 100.00㎡
構造: 鉄筋コンクリート造
規模: 地上4階建ての1階部分
工期: 2013.2〜2013.4
企画: TN office